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スワロウテイル
branch of originate

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スワロウテイル
branch of originate

コミティア129 ゆ05a 1,000円

1    月の神に導かれ    曲:のへ
2    神の世界    曲:のへ
3    望まぬ悠久    曲:のへ
4    他愛もない話でお茶会を    曲:XRCreate
5    想像の種    曲:XRCreate
6    綾を織り成す木の枝で    曲:のへ
7    branch of originate    歌:Nanao  作詞曲:のへ by ExtraNoire
8    分け身    曲:のへ
9    ENDLESS BADEND    曲:のへ
10    分け身 failed version    曲:のへ
11    ひとつまみのホイップクリームみたいな雲

  曲:hara kana Re;Arranged by のへ
12    恒星「Schwalbenschwanz」    曲:風鈴/のへ

  Re;Arranged by のへ

​illustrator:大魔王るあえる

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branch of originate Episode1 想像の種

昔むかし、それは気が遠くなるほど昔のお話し。とある女の子がいました。

女の子には好きな男の子がいました。
ある時、男の子は女の子の前から姿を消してしまいます。女の子は悲しみました。
いつまでも悲しんではいられません。男の子を探す旅に出ました。
世界中を駆け巡り、女の子はわずかな願い胸に絶望することなく男の子を探しました。いくら探しても男の子は見つかりません。
それもそのはず、男の子は姿を消したのではなく、亡くなっていたのです。女の子が絶望しないように伏せられていたのです。
女の子は絶望しませんでしたが全ての時間を男の子を探す為だけに使いました。
しかし、男の子に会えることは叶わず生涯を終えてしまいました。

それを見ていたとある神様は自分に境遇を重ね、女の子に同情しました。
女の子の魂は神様の前に導かれ、創造の種を貰いました。
女の子は「そんなのいらないから男の子に会わせて欲しい」とお願いしました。神様はそれは不可能だといいました。
神様には干渉できることと出来ないことがあるのです。
女の子は「生まれかわらせて欲しい」と願いました。しかし、それも不可能だと言われました。

女の子は怒りました。悠久の時間をかけ、神様を責め続けました。責めて責めて気がすむまで責め続けました。
永い永い時間を重ね、その怒りも薄れ、女の子は神様とお話しをはじめました。
それは永くとても寂しい空間での他愛もないお話しです。
神様はずっとひとりだったので同じ境遇の女の子とお話しをしたかったのです。時間がたつにつれ二人は友達になりました。

ふとした時、女の子は神様から貰った創造の種を思い出しました。
種を植えると時がたつにつれ全方向に巨木が生え、一つの宇宙を織り成しました。
種を植えた瞬間、女の子は神様となったのです。
巨木一つ一つが彼女の願い、可能性を潜在的に具現化し宇宙を創造しているのです。
とある巨木は何もない塵だらけで荒廃した世界。
とある巨木では地獄のような悪魔の様な者たちが住む世界。
女の子を導いた神様を責め続けていた時の自分の様な者たちが巣くう世界。
女の子は「そんな世界はつまらない」と放置しました。

そこに、一つ輝くとても綺麗な巨木に気が付きました。しなやかに、雄大に聳え立ち、星々が輝いています。
自分のいた惑星(ほし)にそっくりな「地球」もあります。女の子はその巨木、いわゆる宇宙の全てを覗きました。

綾の様に織り成す枝分かれした分だけ可能性が存在する世界。女の子は永い永い時間をかけ、様々な物語を観察しました。
在ってはならない枝も稀に存在し、そんな「悪い」枝は「きょうせいりょく」を使い切り落とします。
自分の境遇に似た者もいましたが女の子には神様が使っていた「自分の元へ導く」スキルがありません。
いま判明しているのは「きょうせいりょく」と「枝を追加する」スキルのみです。
「きょうせいりょく」は稀に自我をもち自分勝手に動くのでとても使い勝手が悪いです。
「枝を追加する」スキルも使い勝手が悪いのです。
切り落とされた枝に存在する者を木に連れてくることでしか干渉できないのです。
切り落とされた世界の者はその世界へ転移される為、文字通り異世界転移物語となるのです。
女の子はそれを幾千回と繰り返し枝を増やしました。
巨木は無限の枝に分岐しました。「悪い枝」があれば切り落とし枝を増やします。
友だちとなった自分を導いた神様もこの巨木にはびっくりしました。


とある時、女の子は気付きます。
切り落とされた枝の世界から転移されたことによって、枝の中で残され悲しむ人がいるのです。
いままでは自身が神となり永い時間で麻痺していた気持ちがあったのかもしれません。女の子はそれは大変悔やみました。

女の子は切り落とされた枝を観察し始めました。
「なにかしれあげられることはないか?」そう考えているのです。

悲しんだ人達が寿命を終えた時、自分が転移した人の元へいける様に紐づけたのです。
寿命を終えた瞬間と、なにかが原因で命を落とした場合に記憶や体は大事な人が消えた瞬間に戻り大事な人の元へ転移されるのです。
まだまだ未熟な神である女の子は時間は指定できないが概ねみんな満足していたのでほっとしました。
これからは寿命を終えた者、無念を残し亡くなった者のみ転移させようと決めました。
自分の様に悲しむ人間はいてはならないのですから。

「今日も枝は揺らいでいる。まるで羽ばたくようにゆらりゆらりと。」
と囁き女の子は巨木を見上げ色々な物語を観察し続けるのです。

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branch of originate Episode2 分け身

「もうみてられないよ…」

物語をなぞることしか出来ない私は途方に明け暮れる。
もしも私がそこに行くことが出来るのならば…
もしも私が貴方の力になることが出来るのならば…
そう願うだけしか出来ない私の思考は、無意味でしかないのは理解している。
種を蒔きこの世界を創造し神となった私は、その行く末を視ることしか出来ない。
なぜ無力なのだろう。神なのに?なにもすることは出来ないのだろうか?
貴方の向かう先に少しでも未来があるのなら…
貴方の望む未来に少しでも希望を授けられるのなら…
神でなくたっていい。私はそう考えていた。

物語にわたしは存在しない。
私は世界を覗き、枝を切り、悲しむ者がいればその世界へ導く程度の力しかいない。
綾の様に織り成す枝にいる貴方の幾千もの絶望を視てきた。時には助けとなる者を貴方の元へ導いた。

しかし結果は変わらず無意味な枝が残され、私はそれを切り落とすのみ。
あの人に似た貴方の為だけに欲深き、業深き私はただ世界を歪ませた。

そこから悠久ともいえる時間が経ち、枝を切り落とす「強制力」は進化を遂げた。
私の意志を反映した私自身の分け身を生み出す能力が開花した。
勝手に人型となり意志を持った「強制力」に私自身を反映するといった具合だ。

ここにいる「私」自身がそこへ行けるわけではないけど、その「ワタシ」が物語の人物として登場することが可能となった。
疑似的ではあるが貴方の元へ「私」が行くことは出来るだろう。
その「私」はあくまで人間であり、多少私としての自覚はあるだろうが神という自覚はないだろう。おそらく…。
それほどに神(わたし)は何も出来ないし今まで通りここにいる私は物語をなぞり視ることしか出来ない。

分け身が生涯を終えればその経験は私に反映される。
私に出来るのは分け身がうまく貴方を導けるように見守ることだ。

だけど…、結果はどれもこれもバッドエンド。私は役立たずだ…。
貴方と話が出来てとても浮かれていたが結果は絶望。
何故なのだろう?神である私の分け身はチートとも呼ばれるレベルなのだよ…。
そこに私の友達、私を神にしたルナが様子を見に来た。
「彼が貴女の愛しの高槻くん?」

くそ、バレてたか…。
「別に愛しでもないけど気になるのよね…」
「そっかそっか、どう?あっちの貴女の記憶はフィードバックされて貴女が持っているのよね?話は出来て良かった?」
「私は最初は嬉しかった。でもどうやってもあの人を助けられない…チートでもなんでもしてるんだけどね…」
「彼の不幸具合は私達の想像を超えているはね…、どうすればいいかはわからないけど私も行ってもいい?
神の私が言うのもなんだけどここは神頼みでなんとかなるかもしれないじゃない。理屈としてはなにもないけどものは試しで」
ルナがそう進言する。
「まあ、私が調整すれば出来ないことも無いけど…」
「アヤ、高槻くんってこの落とされた枝に居た人よね?じゃあ木ではなく、このフラッピングエーテルもない枝に
私達を送りこんでみない??」
それは試したことが無かった。いま解っているのは巨木へ私を送りこんでもBADENDにしかならないこと。試してみようか…。

「わかったルナ、ここは神頼み(笑)で落とされた枝に私達を送ろう」
ちょっと調整難しいしフラッピングエーテルもないから本当にただの人間になってしまうけど…
まあ私達の意志が反映されていればその後に同じく木に転移して手伝ってもらえばよいだろう。
これは幾度となく繰り返された試行錯誤の一つだ。私は貴方の助けになりたい。
神としては良くないことだとわかっている。だが私もルナも元はただの人間で欲がある。
「ルナ、私の手を握って。一緒に私の分け身をこの人がいる落とされた枝に送るから、じゃあ始めるね」
私を「貴方」の元にうまく私を送れるように集中した。正直加減が難しい。
少し時間はかかったけどなんとか出来た、じゃあいくよ!あ、やべクシャミでそう…
「へっくし!…やべ…」

やっちまった…。

「ルナ、私達を送るには送れた。私はあの人の幼馴染、ルナは私の親友ってことになって因果を書き換えた、けど…」
「…けど?」
「リンクも切れたし私達の意志が反映されているかもわからない…し、この子たちが生涯を終えても私達には記憶は恐らく反映されない…」

なんかこの私?もはや私なのか、あとこの私(?)はなんかちょっと能力は高そうだけど頭は弱そう…。
ルナの方はまあ大体ルナって感じの子だけど…。名前は月詠か。
うーーーーーん…。
正直に申し上げると…大失敗です。どうしよう。まあ見守ることには変わりはないのだけど…。
失敗したことで私はこの子を「私」とは認識出来ていない。「私」が生み出した私の分け身。
あまり期待はしていないけど頑張ってね…。とっても不安だ…。

私ではない私というきっかけで生まれた私によく似た貴女。その行く末は貴女次第だけど、もしもハッピーエンドに
行くことができるのなら…、ちょーっとだけでも私に、貴女の記憶や経験を私に反映出来る様にさせて頂戴ね。

~~~~~~~
???「え、嫌です…」

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